cgworld-UE4をベースにHoudiniも活用!『HOUSE OF THE DEAD ~SCARLET DAWN~』 FX.CG2018. 10. 16. 12:58
https://cgworld.jp/feature/201810-cgw243-hod-3.html
Topic 5
Houdiniをフル活用したエフェクト制作
Houdiniによる表現力の向上と低コスト化の実現
アグニ・フレア側のエフェクト制作で使用された3DソフトはHoudiniのみとなり、国内のゲーム開発に関わる会社では非常に珍しいケースのように思う。「Houdini一本で完結することで、大きな効率化が図れました」とエフェクト担当の小林健太氏。Houdiniのラーニングを含めて約1年、様々な表現の検証を経て正式導入に至ったという。検証した具体的な内容としては、炎・爆発・水といった流体シミュレーション、エフェクトで利用するモデルの形状をパラメータで容易に調整するためのツール制作、破砕アニメーションの骨入りメッシュへのベイク、そして「Vertex Animation Texture(VAT)」という技術を用いたソフトボディや流体表現などになる。
VATはモデルの形状変化のアニメーション情報をテクスチャにベイクして、ランタイム時に頂点シェーダで再生するテクニックで、特殊な表現をゲーム中に表現できることからここ数年での使用事例が増えている。骨のアニメーションだとCPU負荷になるが、VATだと処理をGPUに逃がせるメリットもある。本作ではカットシーンのみの利用となったが、コウモリの大群やクリーチャーの触手が千切れる表現、気泡など様々なものにVATが利用されている。これらはカットシーンを制作する過程で生まれたタスクになるという。「制作工程の中でエフェクトは下流に位置するため想定しないタスクが発生しがちですが、こういったタスクをアニメーターにお願いするよりも、Houdini内のシミュレーションでカバーすればエフェクトアーティストで完結できるため、ローコストで対応することができました」と小林氏。
Houdini導入により表現の幅が広がったことに加え、作業速度や調整・フィードバック対応も早くなったという。ちなみに、ちょっとしたノイズテクスチャやフローマップの制作には従来通りPhotoshopやAE、Substance Designer等も用いられたそうだ。
流体シミュレーションと滝モデル制作ツール
Houdini上で煙のシミュレーションを行なっている様子。レンダリングにはGPUレンダラを導入し、それまで3分かかっていたレンダリング時間が6秒になったそうだ
パイプから流れる滝がステージ中に数多く配置されているが、場所により形状も変える必要があるため手作業で用意するのは大変だ。そこでモデル自体を簡単に調整できるようなツールをHoudini上で作成して量産に対応した
Vertex Animation Texture(VAT)で広がった特殊表現
カットシーンで使用された血液の気泡をHoudiniで制作してVATで表現したもの。流体表現であってもこのようにシルエットがはっきりしているモチーフならばVATに適していると言えるだろう
触手が千切れる表現はソフトボディのシミュレーションをVATにベイクすることで対応した
カットシーンでボスに付随するコウモリの大群は、Houdiniで羽ばたくアニメーションをVATのかたちでUE4に持ち込み、エフェクトツールでメッシュパーティクルとして大量に飛ばすことで表現している
ゲームではカットされた、煙をシーンに馴染ませるよう施された工夫
連番テクスチャを再生するマテリアル。RGBチャンネルを使い分けた構成をベースにしつつ、各ステージの環境に馴染むようパラメータで色を与えられるようになっていたり、ソフトパーティクルの強さを自由に調整できる構成になっている
一枚画の煙のテクスチャを使用したカスタムマテリアルをモデルで表示させている例。マテリアルではテクスチャをフローマップで歪めて複雑な動きを表現している
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